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08/09/04 偽装
 
06/08/05 ガレの植物・ガレの昆虫
 
 
題名

偽装

 

 食品偽装の問題が次々とあかるみになっています。有名料亭が廃業に追い込まれ、ブランド牛肉からウナギと毎日のように新聞紙面を賑わせています。大手乳製品メーカーをはじめ、洋菓子、食肉…。口にするもの全てが疑わしく思えてしまう昨今です。

 では、美術の世界はどうでしょう。
そこには加藤唐九郎の「永仁の壷」の例えを引きあいに出すまでもなく『偽装』とともに『贋作』までが頻繁に登場します。そしてそれらがあたかも市民権を獲得しているかのように市場で幅を利かせているのですから困ったものです。「贋作が作られるようになったら一流…。」のようなことを話す人もいるほどですから、一般の方々にとっては足を踏み入れ難い世界のように思えるかもしれません。マニアの方にすれば地雷の仕掛けられた宝の山。スリルに満ち溢れた世界でもあります。

 絵画や工芸品は第一級品ともなると貨幣以上に高い価値を有するですから贋作が絶えないのは致し方ないことといえます。古来贋作づくりは錬金術でもあったのです。しかしながら、贋作づくりは誰でも出来るというものではなく、それなりの技を持ったひとかたのプロ(?)でないと成しえないものでもあります。下手な人が作ったものは贋作にも成りえないということです。

 では、『偽装』の方はどうでしょうか。芸術作品はそれが絵画であれ、工芸であれ通常、瑕疵があると著しく価値が下落します。作品のもつ美しさこそが評価の基準である以上致し方のないことで、それゆえ絵画や工芸作品の修復(つまり『偽装』)においては、可能なかぎり原作に忠実に直すことがキモとなります。

 テレビの「鑑定団」を見るまでもなく騙す人・騙される人は昔からいましたが、困ったことに修復技術の急激な進歩がより巧妙な隠蔽をももたらすようになりました。 修復の施された作品が完品として売られたり 、極端な場合には加筆や、装飾が後から施された作品が希少作のように謳われ市場に現れることすらあるのです。修復品は作品そのものは本物であるだけに場合によっては見極めがとても難しくなります。

上の写真は過日、あるきっかけで私のもとに届いた作品です。一見とても可愛らしいドームの茸の模様の花器に見えます。けれども、なにかおかしい。なにがおかしいのだろう。こうなると一通りのチェックをしてみないとなりません。

素地の色がやや鮮やかすぎるのと、手触りがおかしかったのでまずは表面をチェックします。肉眼で確認し、さらにルーペでも確認。ここまで問題は見つからないので次は薬品を用いた検査です。すると写真でもご覧いただけるとおり色がとれてきます。なんとペンキで彩色が施されていたのです(本来このタイプの作品はエナメルを焼きつけることで絵付けをしているので、このたび使用した薬品で色が落ちることはありえません)。たぶんアール・デコ期の表面装飾のない作品にペンキで絵付けをしたものなのでしょう。極めて単純な偽装ですが、確信犯です。その後これと同様の加工を施したものを国内外で何度か目にしています。きっとどこかでまとまった数が作られ、流通しているものと思われます。

私は「古美術市場は怖いところだから素人が迂闊に手を出さないほうがよい」と言いたいわけではありません。皆がみんな詐欺まがいのこと をしているわけではないのです。むしろ大多数の美術商は真に美しい作品をお届けするために日々努力しているはずです。私どもは問題のある作品をできるだけ排除し、皆様の楽しいコレクションのお手伝いをさせて頂くことを第一に取り組んでいます。


2008/09/04


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